遺産分割でトラブルにならないための基礎知識


被相続人が死亡した日を知った時から、90日経過すれば相続人は自動的に亡くなった人の、遺産を相続することになります。遺産の中には、プラスになる財産も有ればマイナスになる借金などの財産も含まれますので、十分に注意が必要です。相続人が複数いる場合には、日数が経過して自動的に承認する前に、遺産分割協議を行うことが大切です。

遺産分割

遺産を巡っての最終的な段階が、遺産分割になります。相続争いといわれるものの大半が、この遺産分割をめぐるものになっています。遺産分割は親、兄弟といった親族同士の話し合いでだれがどの財産をもらうのかを、決定するものです。それなのになぜ争いが起こってしまうのでしょうか。その原因は、家族の置かれた状況、親族間の対立、経済力の差、亡くなった人に対する対応などいろいろと考えられますが、お金がかかる世の中ですからお金がほしいというのが、偽らざる気持ちなのでしょう。
親族間のもめごとは、一般の場合に比べて深刻になりがちです。一度感情的に対立が起こると、協議どころか挙句の果ては冠婚葬祭以外に口も利かない事態にまで、なりがちです。ことの発端は遺産のことなのですが、争いは拡大してしまいます。
良いものがほしい、価値のあるものをもらいたいというのは誰しも同じです。遺産分割協議というのは、これをまとめるための話し合いです。大事なのは話し合いに臨む人の、態度になります。もめごとを話し合いで解決する方法に、示談とか和解があります。解決に至るために一番大切になってくるのが、自分の主張に固執せず相手の言い分も聞いて譲歩の姿勢で臨むことです。遺産分割協議でも、このことは全く同じです。
ただやみくもに譲歩しろと言われても、納得はできないでしょう。だからこそ遺産の分け方について、法律の規定はどうなっているのかその法律は公平を図るために、どのような規定を置いているのかをしっかりと理解して、それを前提としてお互いが公平なルールに基づいた判断をするということが、大切になってきます。

分割協議

現金や預金のみが財産ならば、法律に従って分割することができます。遺産は土地や家屋などのように、分割しにくいものもあります。協議に参加する全員が合意すれば、法律と異なる分割方法も許されています。また主な財産が土地しかないというのであれば、これを売って代金を分割する方法もあります。農業を長男に継続させるために、農地を長男がもらいその収益の中からほかの人たちに分割払いで、金銭を支払うなどの方法も考えられます。どうしてもまとまらない場合は、家庭裁判所に申し立てて調停や審判で決めることになります。
遺産分割は仲が悪いからと言って、仲の悪い人を外して分割協議をすることはできません。分割協議はあくまでも全員の参加が必要になってきます。全員が参加しない分割協議は、無効となりますので注意が必要です。(もっとも必ずしも一堂に会する必要はなく、順次に合意をとっていく持ち回り形式も許されますがいずれにせよ相続人全員の合意は、必須の要件になります)。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする